日本特殊合金株式会社

製品紹介
SCPT合金

SCPT®合金

SCPT®合金とは

SCPT®合金は、日本特殊合金が独自開発した新しい超微粒超硬合金であり、Superfine-grained Cemented carbide by Pinning effect of Ti(C,N)の頭文字を取って命名しました。従来の手法とは異なり微粒Ti(C,N)(炭窒化チタン)のピン止め効果でWC(炭化タングステン)粒成長を抑制した超微粒超硬合金です。従来材料に比べ、高硬度・高強度・優れた耐摩耗性を備えています。

SCPTのロゴマークは、WCが六方晶であることから、六角形の形を採用し、
弊社(日本)で発明された材料を表すために、日本の伝統色である藍色を使用しました。
赤丸は Ti(C,N)のピン止め粒子を示しています。

※SCPTは、日本特殊合金株式会社の登録商標です。

※PAT.6227517、 PAT. 7383498

SCPT®合金と従来超微粒超硬合金の組織の違い

SCPT合金

SCPT®合金は、微粒Ti(C,N)がWC粒子の周囲に点在し、WC粒の成長を抑制します。そのため、強度や耐摩耗性が低下しにくい特徴があります。
従来の超微粒超硬合金(VC添加)は、VCが偏析やWC/Co界面に存在するため、強度や耐摩耗性が低下しやすくなります。

SCPT®合金のラインナップ

材種名
Material name

WC粒径
WC grain Size
µm
Co量
Content of Co
wt%
抗折力
Bending strength
GPa
硬度
Hardness
HRA
適用

(工具種類)
S6 0.4 6.0 4.4 94.2 切削工具
S10 0.4 10.0 4.7 92.7 切削工具
SH6 0.4 6.0 3.6 94.7 切削工具
SH8 0.4 8.0 3.8 94.0 耐摩工具
SH10 0.4 10.0 4.3 93.4 切削工具

SCPT®合金の適用

〈切削工具用〉
被削材 ドリル エンドミル リーマー インサート
炭素鋼・合金鋼
ステンレス鋼  
鋳鉄・
ダクタイル鋳鉄
 
アルミニウム合金  
高硬度鋼  

実績を基に区分したものであり、使用条件によって変わる可能性があります。

被削材は鋳物・ダクタイル鋳鉄、アルミニウム合金、高硬度鋼の切削加工において抜群の性能を発揮します。工具種類ではとくにリーマーで優れた工具寿命を実現します。

〈耐摩耗工具用〉
金型種類 適用
粉末成形用金型
絞り金型
引抜プラグ
切断刃
耐衝撃金型

この評価は、実績を基に区分したものであり、使用条件によって変わる可能性があります。

粉末成形用金型において、とくに高硬度粉末の成形でも金型の長寿命化の実績があります。

SCPT®合金の適用事例

①〈ドリル〉止まり穴加工 炭素鋼

止まり穴の加工数

止まり穴の加工数
使用工具
: オイルホールなしφ6ドリル
被削材
: S50C
コーティング
: PVD-TiAlN
切削液
: 外部給油
切削条件
: Vc=88.5m/min f=0.13mm/rev 穴深さ=20mm

SCPT®合金は、他の材料と比較し初期段階の刃先の細かい欠損が少ないため、工具の長寿命を実現しています。

②〈インサート〉旋削加工 炭素鋼

インサート 旋削加工 炭素鋼
使用工具
: TNGA160404
被削材
: S45C
コーティング
: PVD-TiAlN, PVD-CrAlN
切削条件
: Vc=160mm/min f=0.2mm/rev 切込み量ap=2.0mm

SCPT®合金は、初期の刃先の欠損が少ないため、安定した加工が実現でき、工具寿命の向上に貢献します。

③〈ドリル〉穴あけ加工 アルミニウム合金

ドリル 穴あけ加工 アルミニウム合金
使用工具
: 段付ドリル
被削材
: ADC12
コーティング
: DLC

SCPT®合金は、アルミニウム合金の切削時に、他社超硬合金を用いた工具よりも刃先の摩耗や欠損が生じにくいため、切削工具の大幅な寿命向上に貢献します。

④〈ドリル〉穴あけ加工 ダクタイル鋳鉄

ドリル 穴あけ加工 ダクタイル鋳鉄
使用工具
: バニッシングドリル
工具サイズ
: Φ6
使用設備
: 縦型マシニングセンタ
被削材
: FCD700
コーティング
: PVD-Ti系

SCPT®合金は、ダクタイル鋳鉄(鋳鉄全般)において切削工具の寿命向上に貢献します。

⑤ 粉末成形金型

粉末成形金型
成形機
: ロータリープレス機
成形対象
: 超硬合金粉末
成形体寸法
: Φ6.0mm×3.6mm

SCPT®合金は従来超微粒超合金よりも耐摩耗性が優れるため、金型の摩耗の進行が緩やかであり、金型寿命の向上に貢献します。

SCPT®合金 カタログのご請求は、お問い合わせ よりご連絡下さい。